XR Accessibility User Requirements (W3C First Public Working Draft)

W3C が、XR のアクセシビリティについて、ユーザー要求 (user requirements) をまとめ、ドキュメントを公開しています。

XR とは、VR (virtual reality : 仮想現実)、AR (augmented reality : 拡張現実)、MR (mixed reality : 複合現実) の総称です。このドキュメントは、こうした没入型環境のインタラクションにおいて、アクセシビリティを担保するにはどうすればよいかを、ユーザー調査をもとに整理したものです。W3C の Accessible Platform Architectures (APA) Working Group によって作成され、本記事の執筆時点では Public Working Draft というステータスですが、広くフィードバックを集め、ブラッシュアップのうえ、最終的には Working Group Note として発行される予定す。

XR のアクセシビリティを担保するためには、多くの検討すべき課題があります。たとえば、特定の入力モダリティ (音声、キーボード、スイッチ、ジェスチャ、アイトラッキング ... による情報インプット) や出力モダリティ (触覚的、視覚的、聴覚的 ... な情報アウトプット) の使用が困難なユーザーの支援、モーション (体の動きの大きさや精緻さ) および位置取り (立ったり座ったり) に制約があるユーザーの支援、没入型環境におけるコンテキスト把握や認知上の困難に対する支援、などです。

上に挙げた各ケースは、最終的な Working Group Note に向けて変更される可能性がありますが、現時点における VR、AR、MR に求められるアクセシビリティ要件を俯瞰するうえでは、十分参考にできるかと思います。