Plain Language (平易な言葉)

Web サイトにおいて情報をわかりやすくユーザーに伝えるためには、どう文章表現 (ライティング) するか、がとても重要です。

英語圏には「Plain Language (平易な言葉)」と呼ばれる考えかた (概念) が存在するのですが (参考 : Plain language - Wikipedia, the free encyclopedia)、アクセシビリティに関する国際会議「CSUN 2013」ではこの「Plain Language」をテーマにしたセッションが以下の通りふたつもあり 、アクセシビリティのコミュニティにおいて「わかりやすい文章表現」が話題のひとつになっているのかな...と興味深く感じています。

Whitney Quesenbery 氏 (「ユーザーエクスペリエンスのためのストーリーテリング」の著者としてご存知の方もいらっしゃると思います) のセッション「Plain Language: Accessibility for Information」のスライドは、slideshare で公開されています。
Angela Hooker 氏のセッション「Plain Language: Ensuring Usable Web Content」のスライドは、slideshare では公開されてませんが、その直後に別のカンファレンスで講演されたスライド「Make It Plain: Accessbility and Usability Through Plain Language」は公開されており、参考になると思います。

Plain Language とは?

Wikipedia を見ると、Plain Language は下記のように定義されています。

Plain language is clear, succinct writing designed to ensure the reader understands as quickly and completely as possible. (Plain Language とは、読み手ができるだけ素早くかつ十分に理解できるようデザインされた、明快で簡潔な文章表現である。)

出典 : Plain language - Wikipedia, the free encyclopedia

Plain Language を公民権として推進する米国の NPO「Center for Plain Language」の定義はもう少し踏み込んでいて、下記のようにまとめられています。

Our measure of plain language is behavioral: Can the people who are the audience for the material quickly and easily (我々の考える plain language とは「行動に結びつくもの」である。素早く容易に以下ができることが大事である。)

  • find what they need (読み手が必要な情報を見つけられること)
  • understand what they find (読み手が見つけた情報を理解できること)
  • act appropriately on that understanding (その理解に基づいて適切に行動できること)

出典 : What is Plain Language? - Center for Plain Language

「Center for Plain Language」の定義を見ると、Plain Language という考えかたは、ユーザビリティ/ユーザーエクスペリエンス (UX) に直結する、情報アーキテクチャ (IA) の根幹を成す要素と言えるでしょう。アクセシビリティへの影響も大きく (だからこそ、CSUN 2013 のセッションでテーマとして採り上げられているのでしょう)、Plain Language によって幅広いユーザー、たとえば認知/言語/学習障害を持つユーザーや、書かれている内容のリテラシーが十分でないユーザー、母国語でない情報に接しているユーザー、視覚障害者 (スクリーンリーダーを介して「シリアルな」形で情報を理解しているぶん認知負荷が高い)、モバイル機器など限られた画面サイズで情報にアクセスしているユーザー...にとっての利便性を高めることも期待できます。

Plain Language のテクニック

Plain Language の具体的なテクニック (実際にどう文章表現するか) については、上述の Center for Plain Language がまとめた「Guidelines for creating plain language materials」が参考になるでしょう。また上記「Plain Language: Accessibility for Information (Whitney Quesenbery)」のスライド (13ページ目から38ページ目) や、「Make It Plain: Accessbility and Usability Through Plain Language (Angela Hooker)」のスライド (43ページ目から62ページ目) も、参考になると思います。

ただ、これらはいずれも、英語表現を前提としたテクニックと言えます。日本語の文章表現でも適用できるように、少し原則めいた形でまとめると、以下のようになると思います。

Plain Language のテクニック

  • ユーザーを意識して (どんな人で、その人は何をしたいのか、その人に何をしてほしいのかを、理解して)、その人に語りかける。
  • 大事なことは一瞥しただけで伝わるようにする。結論 (メインとなるメッセージ) をはじめに書き、背景や根拠などは、肉付けとしてその後に書く。
  • 適切な論理構成にし、それを明示的に表現する。情報の塊 (チャンク) ごとにセクションを分ける。適宜、見出しを付ける。わかりやすいラベルを付ける。など。
  • ユーザーにアクションを求める場合は、具体的にどうすればよいかを明確に伝える。
  • 平易な用語を用いる。専門用語、業界用語、隠語 (ある特定の専門家や仲間内だけで通じる言葉や言い回し) は避ける。
  • 短く簡潔に表現する。必要でない言いまわしや、冗長な表現は、カットする。
  • 説明的に記述するよりも、ポイントを箇条書きするほうが伝わることもある。
  • 説明的に記述するよりも、図表で示すほうが伝わることもある。

当サイトでは以前、「Web ライティングのツボ」という一連の記事を公開していますが (下記の「関連記事」をご覧ください)、今回ご紹介した Plain Language の考えかたに、とても近いと思います。上にまとめた「Plain Language のテクニック」のリストと併せて、ご参考になれば幸いです。

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