理解の秘密 (Instruction Anxiety)

理解の秘密 — マジカル・インストラクション」を読みました。情報アーキテクチャ (Information Architecture : IA) の先駆者であるリチャード・ソウル・ワーマン (Richard Saul Wurman) 氏による著作で、松岡正剛氏が監訳しています。

理解の秘密 — マジカル・インストラクション

原題の「Instruction Anxiety」が示すように、本書は「インストラクション」に焦点を当てた本です。インストラクションとは、人と人とのコミュニケーションにおける重要な要素で、人に何かを期待する際に (あることをしてもらったり、あることを考えたり感じたりしてもらう、など)、それを円滑に具現化するための情報伝達、を意味します。(本書内には、インストラクションの端的な定義文は明記されていないのですが、本書全体を通じて、私はそう理解しました。)

1993年発行という古い本ですが、インストラクションをコミュニケーションの根幹に据えて、その重要性を説くという視点がとても興味深く、ウェブの情報設計や UI デザインにも応用できそうです。インストラクションの具体例として1章を割く形でマニュアル (取扱説明書) への言及もあり、個人的にキャリアの出自がマニュアル制作だった私自身にとっては、その意味でも面白く、初心に帰ることができた一冊です。

この記事では、本書を読んで得た学びや感じたことを 、メモとして (引用というよりは私自身の解釈が混じった形ですが) 箇条書きにまとめます。