JIS X8341-3:2016

「JIS X8341-3:2010」の改訂として、2016年3月22日に「JIS X 8341-3:2016」 が公示されました。達成基準の内容 (つまり JIS X8341-3 準拠のために必要な施策) については変更がありませんが、文書構造的に WCAG 2.0 との合致が図られています。折しも、2012年10月に WCAG 2.0 は正式に ISO/IEC 国際規格として承認されたので (ISO/IEC 40500:2012)、今回の JIS X8341-3:2016 の公示によって、以下のような関係になったといえます。

ISO/IEC 40500:2012 ≡ WCAG 2.0 = JIS X8341-3:2016

なお、JIS X8341-3:2016 では、旧来の2010年版に比べていくつかの改善点があります。主だったものを簡単にご紹介します。

「原則」「ガイドライン」「達成基準」の採番

旧来の2010年版では、「原則」「ガイドライン」「達成基準」は、目次構造上、第7章 (箇条7) の中に格納されていました。このため、同内容の達成基準であっても WCAG 2.0 では「1.1」、JIS X8341-3 では「7.1.1」と異なる採番になってしまい、WCAG 関連文書 (「Understanding WCAG 2.0」や「Techniques for WCAG 2.0」など) と併せ読むうえで若干不便でした。

今回の改訂 (JIS X8341-3:2016) では目次構造が改められ、JIS 文書においても「原則」「ガイドライン」「達成基準」は WCAG 2.0 と同一の採番になり、この不便さが解消されています。

具体的な施策への誘導

WCAG 2.0 (JIS X8341-3) の各達成基準は、表現が抽象的で、特定の実装技術に依存せず汎用的である反面、それを読んだだけでは具体的な施策がわかりにくい、という課題があります。

これに対処すべく今回の改訂 (JIS X8341-3:2016) では、各達成基準に注記として、関連文書 (「How to Meet WCAG 2.0」や「Understanding WCAG 2.0」) の該当セクションの URL が追記されました。これにより、具体的な施策の参照がしやすくなっています。

文章表現の改善

今回の改定 (JIS X8341-3:2016) では、「原則」「ガイドライン」「達成基準」における文章表現 (WCAG 2.0 の和訳) において、いくつかの改善がなされています。

見出しの改善

旧来の2010年版に比べて、各見出しがわかりやすくなっています。

用語の改善

また、用語においても、いくつかの改善がなされていて、WCAG 2.0 の原文表現に近くなっています。たとえば、以下のようなものです。

また、各達成基準の「等級」という表現が、今回の改定 (JIS X8341-3:2016) では「レベル」という表現に変更されています (若干、堅さが和らいだ気がします)。


以上、JIS X8341-3:2016 の改善点をざっと見渡しましたが、総じて言うと、世界的なスタンダードである WCAG 2.0 の意図を忠実に日本語化しようという意図がより強くなった印象を受けました。これまで以上に WCAG 2.0 関連文書と併せて参照しやすくなったので、ぜひご活用いただければと思います。

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