チャンクを意識する

Webサイト(ホームページ)を作るうえで、情報をデザイン(設計)することは、とても重要な要素といえます(ご参考:Webデザインとは、情報をデザインすること)。今回は、この「情報をデザインする」にあたってぜひ気に留めておきたい、チャンクという考えかたをご紹介したいと思います。

チャンク(chunk)とは、認知心理学の用語ですが、ぱっと見たときに「まとまり(意味的な塊)」を感じる単位のことです。この「まとまり」は、視覚的なものであったり、論理的なものであったりと様々ですが、この「まとまり」感をうまく活用することで、より、ユーザーが理解しやすく(ユーザーの頭に「すっと」入りやすく)なります。

チャンクの例としてよく挙げられるのが、電話番号です。たとえば数字の羅列「0351598200」にハイフンを入れて「03-5159-8200」と表現すると、ユーザーは市外局番と市内局番という意味的な塊を認識することができ、記憶の助けにもなります。もうひとつ面白い例を挙げると、アップルストアの電話番号「0120-27753-1」ですが、ひとつめのハイフンで区切られた前半を見ると「フリーダイヤルだな」と瞬時に理解することができ、さらに後半部分「27753-1」は(携帯電話などのテンキーをご覧いただくとわかると思いますが)「APPLE-1」と覚えておけばよい、と実に巧妙に考えられたものになっています。

また、本(書籍)で内容の単位を表すのに使われる「章」や「節」も、チャンクの一種と考えることができると思います。「節」は「章」の一部であるという具合に、チャンクは入れ子構造になる場合もあることを、知っておくとよいでしょう。

このようなチャンクを、Webサイト(ホームページ)の情報デザインにおいても、ぜひ上手に活用したいと思います。具体的にチャンクを意識するシチュエーションとしては、たとえば以下のような場合が挙げられるでしょう。

こうして検討したチャンクに対して、最終的に適切なラベリングやカラーリング、視覚的なレイアウトなどを施すことで、ユーザーにわかりやすいサイトを作ることができます。当然のことですが、チャンクを意識する際には、サイト運営側(企業側)の都合や論理(組織体系など)ではなく、ユーザー(お客様)視点であることが大事です。想定しているターゲットユーザーの頭にすっと入るように(わかりやすく)できているか?を常に意識するようしましょう。