Webサイト設計におけるコンセプトワークのコツ(5W1Hを意識する)

Webサイト設計の「5つの段階」で、Jesse James Garrett(ジェシー・ジェームス・ギャレット)氏の"The Elements of User Experience"を引き合いに出して、Webサイト設計には事前の準備(コンセプトワークを含むプランニング)が大切であると述べました。ここでいう「コンセプトワーク」とは、Webサイトのコンセプトを詰める作業を意味しますが、その際、どんな点に留意すればよいのでしょうか?

ひとことで言うと、使い古された表現ですが「5W1H」が役に立ちます。「いつ、誰が、どこで、どのように、なぜ、サイトを利用するのか...?」と突き詰めてゆくと、取りこぼしを極力防ぐことができます。以下、具体的に見てみましょう。

What

サイトの目的や意義は何でしょうか?

Who

誰がサイトを利用するのでしょうか?(この部分を膨らましたものが、「ターゲットユーザー像をつくる」で述べたペルソナになります。)

When

いつサイトを利用するのでしょうか?(時間帯、曜日、シーズン、あるいはシチュエーションといった軸で考えてみるとよいでしょう。)

Where

どんな環境でサイトを利用するのでしょうか?(インターネット接続環境、ブラウザの種類、画面解像度、場所(自宅なのか職場なのかネットカフェなのか)、携帯端末でのアクセスも考えられるのか、といった軸で考えてみるとよいでしょう。)

Why

なぜWebサイトを利用するのでしょうか?他のメディアやリアルワールド(店舗など)に比べて、どの点でWebだと利便性があるのでしょうか?

How

どのようにサイトを利用するのでしょうか?(この部分を膨らましたものが、「ターゲットユーザー像をつくる」で述べたシナリオになります。)


ところで、「コンセプト」という言葉は非常に曖昧なもので、たとえば「この商品のコンセプトは何ですか?」という質問に対する答えは、人によって実に様々だったりします(よね?)。ちなみに、正しいコンセプトのありかたとは、「ひとことで言い表わせること」のようです。J-Marketing.netのマーケティング用語集では、次のように解説されています。

商品コンセプトとは:
商品コンセプトとは、この商品はどのようなものか、誰が、使うのか、メリットは何か等をひとことで言い表したものです。コンセプトは商品計画の根幹であり、出発点である、といえます。
商品開発プロセスはアイデア探索から始まりますが、商品コンセプトとはそのアイデアを発展させ、消費者の言葉で表現したものということができます。

この考えかたをWebサイト設計に置き換えると、Webサイトのコンセプトとは、「このサイトは、xxxxxなサイトである」という具合にひとことで表現したものと言うことができますね。上記の5W1Hの議論をベースにして、特にWhatの部分(サイトの存在する意義)を上手にひとことでまとめることができれば、コンセプトワークは完了ということになります。