iOS 標準のアクセシビリティ機能 (VoiceOver 以外の支援技術)

モバイル機器の中でも、アップルの iOS デバイス (iPhone や iPad) は、アクセシビリティの面で他よりも一歩先んじていると言われています。というのも、iOS は標準仕様として、様々なアクセシビリティ機能 (支援技術) を搭載しているからです。

音声読み上げ機能「VoiceOver」については、当ブログでも以前ご紹介しましたが (ご参考 : iPhone や iPad の音声読み上げ機能 (VoiceOver))、今回はそれ以外の支援技術について、いくつかご紹介します。

ズーム機能

画面表示を拡大する機能です。高齢者やロービジョンのユーザーにとって便利な機能です。

「設定」アプリの「一般」メニューから「アクセシビリティ」に入り、「ズーム機能」を選択すると、この機能のオン/オフを切り替えることができます。

「設定」アプリの「一般」メニューで「アクセシビリティ」を選択
「設定」アプリの「一般」メニューで「アクセシビリティ」を選択
「アクセシビリティ」の中の「ズーム機能」を選択
「アクセシビリティ」の中の「ズーム機能」を選択
「ズーム機能」のオン/オフの切り替え
「ズーム機能」のオン/オフの切り替え

この機能がオンになっていると、以下のように表示を拡大したりすることができます。

拡大する/元に戻す
3本指で画面上をダブルタップすると、拡大表示します。拡大表示された状態で3本指でダブルタップすると、元の大きさに戻ります。
拡大倍率を変更する
3本指で画面上をダブルタップしてそのまま指を画面から離さずに、3本指で上下にドラッグすると、拡大倍率 (拡大の度合い) をお好みで調整することができます。
表示領域を動かす
拡大表示された状態で、3本指で上下左右にドラッグすると、表示されている領域を動かすことができます。
「ズーム機能」による拡大表示の例
「ズーム機能」による拡大表示の例

なお、このズーム機能は、当初 VoiceOver と併用することができませんでしたが、iOS 6 になってようやく、ズーム機能と VoiceOver の併用が可能になりました。(参考記事 : iPhone や iPad の音声読み上げ機能 (VoiceOver) (その2))

黒地に白

画面上の各種情報は、デフォルトでは「白地に黒文字」で表示されていますが、これを眩しく感じるロービジョンのユーザーも少なくありません。「黒地に白」機能を使うことで、背景色と前景色を反転させることができます。

「設定」アプリの「一般」メニューから「アクセシビリティ」に入ると、「黒地に白」というスイッチがあるので、オン/オフを切り替えることができます。

「黒地に白」のオン/オフの切り替え
「黒地に白」のオン/オフの切り替え

Windows パソコンの「ハイコントラスト」機能と同様と言えますが、iOS の (およびここでは触れていませんが OS X の)「黒地に白」は、文字/テキストだけでなく画像にも適用されるのが特長です。

Web ページを「黒地に白」で反転表示させた例。画像にも反転が適用されている。
Web ページを「黒地に白」で反転表示させた例

モノラルオーディオ

iOS デバイスのオーディオは、デフォルトではステレオですが、これをモノラルにする (ステレオイヤホンの左右の出音を同じにする) ことができます。聴覚障害者 (片耳が聞こえない/聞こえにくい) のユーザーにとって便利な機能です。

「設定」アプリの「一般」メニューから「アクセシビリティ」に入ると、「モノラルオーディオ」というスイッチがあるので、オン/オフを切り替えることができます。

「モノラルオーディオ」のオン/オフの切り替え
「モノラルオーディオ」のオン/オフの切り替え

この「モノラルオーディオ」のスイッチのすぐ下には、左右のバランスを調整する機能も用意されています。片方の耳が聞こえにくい場合は、ここでスライダーを微調整することで、聞きやすいセッティングにすることができます。

他にもある様々なアクセシビリティ機能

「設定」アプリの「一般」メニューの「アクセシビリティ」を見ると、上記以外にも様々なアクセシビリティ機能が用意されているのがわかります。

補聴器モード
電話中に、補聴器への干渉を軽減することができます。(ご参考 : アップル Web サイトの「iPhone:補聴器両立性 (HAC)」)
カスタムバイブ設定
着信などの通知をバイブレーションにする際、その振動パターンをカスタマイズすることができます。「連絡先」に登録してある人それぞれに対して異なるバイブレーションを設定することも可能です。
LED フラッシュ通知
着信などの通知を、フラッシュ (閃光) の点滅にすることができます。
Assistive Touch
複数指のタップ、ピンチ&ズーム、シェイク、など複雑なジェスチャを指一本で行なうことができます。頻繁に使うジェスチャをカスタム登録することも可能です (たとえばスワイプ操作を1本指のタップで可能にしたり、など)。
「Assistive Touch」の表示例 (1本指でのピンチ&ズーム)
「Assistive Touch」の表示例 (1本指でのピンチ&ズーム)

興味のある方は、ぜひ色々と触ってみると「障害者にとって役に立つ支援技術にはどういうものがあるのか」を垣間見ることができて、面白いのではないかと思います。