Web ライティングのツボ (その8) : 簡潔な文章表現
- 公開日 : 2012年1月12日
- カテゴリー : 情報アーキテクチャ (IA)
2005年から2006年にかけて「Web ライティングのツボ」というシリーズ記事を書き、Web のテキストライティング (文章表現) に関する様々なノウハウをご紹介しました。主にテクニカルライティング (技術文書や取扱説明書の書きかたのノウハウ) をベースにしたもので、わかりやすい (読み手に伝わりやすい) 文章を書くうえで今でも参考にしていただける内容だと思います。
今回は久々の「Web ライティングのツボ」ですが、「簡潔な文章表現」に焦点を当ててみたいと思います。
簡潔な文章表現が求められる時代
近年、Web の閲覧環境が急速に多様化しています。従来であれば、PC (デスクトップ) からの閲覧が大半でしたが、スマートフォンの普及によって、モバイル端末からアクセスされることも普通になってきました。
PC (デスクトップ) 以外でも Web にアクセスできるようになると、ちょっとしたスキマ時間や移動中/歩行中のように「じっくり腰を据えていない」状況であっても、情報を素早く読み取りたい、というユーザーの欲求が高まります。もともと、Web の文章はじっくり読まれない (斜め読みされる) ものではありましたが、その傾向はますます顕著になりそうです。
また、Siri のような音声認識ユーザーインターフェースがにわかに注目されていますが、「目や手が離せない」状況で、音声読み上げされた Web コンテンツを「聞く」(シリアルに情報を読み取る) という行為も将来的には一般的になってゆくような気がします。
こうした状況を勘案すると、Web コンテンツの制作においては、簡潔に文章を表現するスキルが、今後より一層求められるようになるのは間違いないだろうと思います。
簡潔な文章表現のコツ
簡潔な文章表現を実現するためには、押さえておきたいコツがあります。
基本は、「テーマを絞って、そのテーマで本当に伝えたいことだけを書く」です (「当たり前」と思われるかもしれませんが… 自分の知見を誇示しようと、つい、あれもこれも書いてしまう、という罠に陥ることがあるので要注意です)。
そのうえで、いくつかテクニック的なことをご紹介します。上記に挙げた「Web ライティングのツボ」の各記事で触れているノウハウにプラスアルファして、私が個人的に気をつけていることです。
- すべての段落/センテンス/語句に、存在する必然性があること。仮に無くても文章の意味が変わらないような段落/センテンス/語句であれば、削除する。
- 形容詞や副詞を減らす。どうしても必要な形容詞/副詞であれば、適切な位置に配置する (形容詞なら係る名詞に、副詞なら係る動詞に、それぞれ近接させる)。
- 受動態より能動態で表現する。
- 否定形でなく肯定形で表現する。
- 一語で表現できるものは短かくまとめる。(例 : 「企業が運営するサイト」→「企業サイト」)
- 「~を行なう」「~をする」といった表現をしない。(例 : 「品質の検証を行なう」→「品質を検証する」)
- 無駄な冗長 (丁寧すぎる説明や繰り返し) を避ける。
加えて、意外に効果的だと感じているのは、見出し構成 (+各見出しの本文内容のひとこと要約) 程度の粒度で構わないので、文章の概要を空 (そら) で言ってみることです (口頭で伝えるような感じで)。そこでスラスラと言えれば、その文章で伝えたいことが明確であると言えます。逆に、スラスラと言えず詰まる、あるいは何かしっくりしない感じがする場合は、どこかで論理矛盾を起こしていたり、テーマに無関係な内容が盛り込まれている可能性があります。また、空 (そら) で言えるということは、伝えたいことが短期記憶の範囲内に収まるということでもあるので、読み手がコンテンツ内容を理解する際の認知的な負荷を軽減できる、ということも期待できそうです。
以上、参考になれば嬉しいです。もちろん、簡潔な文章表現のためのノウハウは他にも色々あるかと思います。皆さんで工夫していることなどありましたら、ぜひコメントいただければと思います。