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「WCAG 2.0」の読みかた

先のコラム記事「改正JIS X8341-3のベース「WCAG 2.0」とは?」で、WCAG 2.0(Web Content Accessibility Guidelines 2.0)についての概略を紹介しました。今回は、WCAG 2.0を読み解くにあたって知っておきたいこと(具体的に、どういったドキュメント体系になっているのか、どう読んでいくと良いか)について触れてみたいと思います。

日本の規格「JIS-X8341-3」がWCAG 2.0をベースに改訂されるので(JIS-X8341-3:2009)、それが発効すれば日本語による同等の情報を参照することができるようになると思いますが(併せて、Web Inspectorのようなチェックツールも出てくることも期待しつつ...)、2009年11月5日現在、「JIS-X8341-3:2009」は正式に発効していませんので、今のうちにそのベースとなるWCAG 2.0について、少し掘り下げて見てみよう、というものです。

WCAG 2.0 のドキュメント体系

ちょっと複雑ですが、WCAG 2.0は複数(下記の4つ)の文書で構成されています。これは、旧バージョン(WCAG 1.0)での反省を基に、「本文」の記述が将来に亘っても陳腐化しないように配慮されているからです(逆に言うと「本文」は汎用的/普遍的な記述に終始しており、具体的な実装方法は記されていません)。そこで、「本文」の内容を具体的に補足するための文書が別途必要なわけです(これら補足文書は、ウェブ技術の進化に応じて随時改訂されるようです)。

WCAG 2.0 本文

WCAG 2.0の「本文」です。原則(Principle)、ガイドライン(Guidelines)、達成基準(Success Criteria)、という3つのレベルで指針がまとめられています(コラム記事「改正JIS X8341-3のベース「WCAG 2.0」とは?」に少し詳しくまとめましたので併せてご参照ください)。汎用的で普遍的な(陳腐化しない)記述になっており、基本的には将来に亘ってアップデートは発生しません。

なお、「本文」は、財団法人日本規格協会による日本語訳が公開されています。

Understanding WCAG 2.0

「本文」のガイドライン/達成基準について、具体的な解説が記述されています(達成基準の意図、用語の解説、実装の事例、どうユーザーに役立つか、など)。現時点でのWeb関連技術をベースにした解説になっているため、必要に応じてアップデートされます。

「Understanding WCAG 2.0」も、日本語訳が公開されています。

Techniques for WCAG 2.0

WCAG 2.0の各ガイドラインの達成基準を満たすための、実装技術について解説しています。現時点でのWeb関連技術をベースにした解説になっているため、必要に応じてアップデートされます。

How to Meet WCAG 2.0

「本文」のガイドライン内容について、使用技術(HTML、CSS、SMIL、など)や達成基準レベル(A、AA、AAA)といった観点でフィルタリングをかけることによって、必要な情報を素早く参照することができます。

WCAG 2.0をどう読むか?

正直、すべてのドキュメントすべてに目を通すのは、骨の折れる作業です。できれば「本文」はひととおり目を通して理解しておきたいところですが、時間がない方のために、効率的な読み方のヒントをご紹介したいと思います。(あくまでも自己流です。人によっては、もっと適した読み方があるかもしれません。)

はじめに、どの達成基準レベル(A、AA、AAA)を目指すかについて決めます(決めれなくても、メドをつけます)。「本文」の末尾に「Conformance(適合性)」という項目があるので、そこを参照して、目指す達成基準レベルを検討しましょう。ただし、サイト全体をレベルAAAに適合させることは、現実的ではありませんし、W3Cも推奨していません。まずはレベルAの達成を実現し、徐々にレベルAAの達成を目指す、可能な箇所については部分的にレベルAAAを目指す、という考え方で良いと思います。

どの達成基準レベルを目指すかについて決めたら(メドをつけたら)、「本文」のガイドラインを見て、該当する達成基準の内容を読みます。このとき、「How to Meet WCAG 2.0」を併用すると、達成基準レベルを満たすには何をどのくらい対応すればいいのか?という感触がそのうち掴めるようになってくると思います。また、必要に応じて、「Understanding WCAG 2.0」を見て、該当する達成基準の箇所を読むのも良いでしょう。

目指す達成基準レベルの内容を理解したら、実装上の課題を検討しましょう。その上で、アクセシビリティを高めるための実装作業を進めてゆくことになります。

当サイトでのWCAG 2.0対応状況

上記のとおり、複雑なドキュメント体系のWCAG 2.0ではありますが、私も頑張って各文書に目を通して、当サイトにおけるWCAG 2.0対応状況を確認してみました。自己評価ではありますが、結果についてはアクセシビリティ(ユニバーサルデザイン)ポリシーの「WCAG 2.0 対応について」でご案内しております。ご興味ありましたら、ぜひご一読いただければと思います。

(公開日:2009年11月 5日 )

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