[検索]ボタンが無い検索窓

ユーザーインターフェース(UI)設計のコンサルティング会社、ソシオメディアさんのサイトを見て気づいたのですが、サイト内検索窓があるものの、なんとそこに[検索]ボタンがありません。サイト内検索の機能を持つサイトは珍しくないですが、このように[検索]ボタンが無いものは、とても珍しいのではないでしょうか。

[検索]ボタンが無い検索窓
ソシオメディアさんは、UI設計におけるパイオニア的な存在で、私自身も時々、セミナーに参加して勉強させていただくこともあるのですが、パイオニアとして常に「斬新で」「シンプルで」「使える」UIを模索し続けた結果(または、ある仮説に基づく先進的なトライアル)なのでしょう。それにしても、[検索]ボタンを省いてしまうとは大胆だな...という第一印象を持ちました。

でもよくよく考えると、[検索]ボタンを省いた検索窓は、それほど無謀とは言えないのかもしれません。というのも、今どきのモダンブラウザに標準装備されている検索窓を見ると、実は[検索]ボタンが無いことにお気づきでしょうか?検索キーワードや検索フレーズを入れて、[Enter]キー/[Return]キーを押したら、はい、検索完了!というわけです。ソシオメディアさんにおけるサイト内検索機能の実装は、こうしたモダンブラウザに装備されている検索窓のふるまい(インタラクション)をそのまま踏襲したものと言えますね。

ブラウザに装備されている検索窓を使うことに慣れ親しんだWebユーザーが増えれば増えるほど、「検索キーワードや検索フレーズを入れて、[Enter]キー/[Return]キーを押したら、はい、検索完了!」というユーザーエクスペリエンスが蓄積されます。こうした体験の蓄積はユーザーのメンタルモデルにも少なからず影響を与えてゆきますので、将来はもしかしたら、検索窓には[検索]ボタンが無いのが当たり前、という時代になる可能性もあるかもしれませんね。

個人的には、検索窓には[検索]ボタンがあったほうが、現時点では良いと思っています。なぜなら、ユーザー側のリテラシー(理解度合い/学習度合い)の差に依存することなく、それが検索機能であることと、どう使えば良いか、が一目で伝わるからです。テキストボックスに文字列を入れて[Enter]キー/[Return]キーを押すとどういう結果になるか(どんなフィードバックが返ってくるのか)、というイディオムは、Webアプリケーションの世界では限定的ではない(様々なパターンがある)ように思います。何らかのサブミット(データの送信)が実行されるのだろうなあという類推はできますが、サブミットした情報がどういう形で使われるのかという具体的なイディオムは、操作子の中でしっかりと文脈提示されているほうが、よりユーザーに対して親切だと思うのです。

ただ、少しでもUIをスッキリとシンプルにしよう、という考えかたもUI設計においては「鉄則」と言えるほど非常に大切なことです。サブミットボタンを省くことをその一手段と捉え、思い切って画面構成要素を減らすチャレンジがなされていることは、大きく評価されるべきだと思いますし、勉強(刺激)になりますね。