サイト内検索エンジン考

あるサイト(ホームページ)のユーザビリティ検証プロジェクトで、「改善前」と「改善後」のページを使ったユーザビリティテスト(比較実験)を実施しました。

「改善前」では、サイト内検索が多く使われ(そのサイトでは残念なことに、結果、ユーザーの満足いく検索結果が得られなかったり、検索結果が「0件」となってユーザーにフラストレーションを与えてしまいました)、「改善後」では、サイト内検索がほとんど使われないという結果が見られました。

改善した内容は、サイトコンテンツのメニュー(リンク)のラベリング(言葉遣い)と、その階層概念の見直しです。ある情報を探すとき、ユーザーは「キーワードを心に思い描いて斜め読みする」ものですが、そのユーザーが思い描くキーワードをうまくメニューに提示してあげることで、サイト内検索の利用頻度は恐ろしく減ったのです。

逆に言うと、サイトの内容を見て、「自分が心に思い描いたキーワード」が見つからずフラストレーションを感じたユーザーが、しかたなしにサイト内検索をしてみて、結局期待できる結果が得られなかった...というストレスフルな状況を生み出している様子が想像いただけますでしょうか?

この結果は、以前に述べた「ウェブユーザーの検索行動」を改めて裏付けることになったと思います。

もちろん、ユーザーのキーワード検索に対する慣れは相当のペースで進化しているので、サイト内検索機能を用意することは有効です。でも、「使えない」サイト内検索を労力かけて開発するくらいなら、サイト内コンテンツの情報のグルーピングをユーザー視点で整理し、適切なラベリング(ワーディング)をするほうが、費用対効果(かける労力に対する効果)は大きいと言えそうです(とはいえ、情報分類の基準は、分類する側(サイト運営側)と、情報を検索する側(ユーザー)とで、なぜかイメージがはなはだずれていることが多い(マイコミジャーナルの記事より)という指摘もあり、気をつけたいところです。この記事の冒頭で述べた「改善前」が、まさにこの状態ですね)。

サイト内検索エンジンについてもうひとこと言うと、サイト内検索エンジンは、残念ながら「使えない」ものが多いです。ユーザーが入れた語句に対して、適切な答えを返すことができないのです。これはとても難しい問題でして、ユーザーの様々な要求(入力クエリー)を想定しつつ、検索エンジンの仕様を適切に考えることは、非常に骨の折れる作業なのです(しかも、そのわりには報われにくい)。私自身の現時点でのおすすめのひとつは、Google Custom Search Engineを利用することです。検索結果表示のルック&フィールが、厳密にサイトのデザインルールから外れてしまったり、検索結果表示のURLが当該サイトのドメイン名と異なるという点で、違和感を感じる方もいると思いますが、無料でGoogle検索アルゴリズムを利用することができるメリットは非常に大きいと言えます。ユーザーの入力クエリーに対する融通のきかせかたも、Google検索と同様ですし、検索結果の順位表示もGoogle検索と同様のロジックを使っているので、ユーザーの受けるフラストレーションは格段に減らせることでしょう。

ゼロベースで開発するのも悪くはないですが、既存の有用な仕組みが使えるのであれば、その恩恵にあずかるのも、悪くないチョイスだと思います。