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「マシンリーダブル」を意識する

マシンリーダブル(machine-readable)」という言葉を聞いたことがありますか?

(ある情報を)機械が「読む/解釈することができる」状態のことを指し示す言葉ですが、Webサイト(ホームページ)で情報を発信する際に、実はとても重要な要素だったりします。「Webサイトは、人間が閲覧するものなのに、なぜ?」とお思いの方も多いかもしれませんね。以下、解説したいと思います。

「マシンリーダブル」であることがなぜ重要なのか。これは、ユーザーインターフェースの概念をベースに考えてみると、わかりやすいと思います。

ユーザーインターフェース(UI)とは、ひとことで言うと「ユーザー」と「目的物」との間を取り持つ役目の機能です。ユーザーインターフェースが適切であることによって、「ユーザー」は「目的物」を使いこなすことができます。身近な例として、「目的物」がドアの場合を考えてみると、「ドアノブ」がユーザーインターフェースに相当します。ドアノブの形状や位置、操作感が適切であることによって、人はドアの開閉を(何のためらいもなく)実行することができるわけです。

目的物がドアの場合のユーザーインターフェースは「ドアノブ」

次に、インターネット(Web)を利用する場面について考えてみましょう。「目的物」は情報(コンテンツ)であり、ユーザーインターフェースに相当するのは「マシン」と解釈することができます(ここでいう「マシン」には、インターネット環境、パソコンや携帯電話といった情報端末、ブラウザ、Webページ、などが含まれます)。

目的物が情報(コンテンツ)の場合のユーザーインターフェースは「マシン」

このように考えると、本質的には「情報(コンテンツ)をユーザーに確実に届けること」「ユーザーに情報(コンテンツ)を活用してもらうこと」が大切であることが一目瞭然ですね。その際に重要となってくる概念が「マシンリーダブル」なわけです。「マシンリーダブル」をもう少し噛み砕いて表現すると、「情報は、マシンが取り扱える形式になっていることで初めて、人(ユーザー)に届く」ということになります。マシンは人間と違って、融通の利く解釈/理解をすることができません。なので、マシンが解釈/理解できる形に、情報を成型してあげることが必要なのです。

やや理屈っぽい話になってしまいましたが、具体的な方策としては、たとえば以下のようなものが挙げられるでしょう。

  • Web標準に則って正しくコーディングし、論理構造(見出し、段落、強調箇所、リンク、箇条書き、挿絵、など)が明確な情報内容にする。
  • HTML(XHTML)で定義されている要素(タグ)は、本来の目的のために使う(たとえば、<table>要素はあくまでも表の作成のために使用し、ページレイアウトを整える目的で透明な<table>を使用しない)。
  • 適切なタイトル情報やメタ情報を盛り込み、当該ページのアイデンティティを明確化する。
  • 基本的に情報はテキスト化(文字情報化)する。マシンが解釈/理解できない情報(ビジュアル情報など)は、代替となるテキスト情報を用意する。
  • 勝手な記号を使ったりしない(たとえば、何の注釈もなく注意点を「※」で表示したり、テキスト変換による「★」や「●」といった記号をアイキャッチャーに使用したりしない)。
  • 装飾的な目的でテキストを改変しない(たとえば、間にスペースを入れて「す ご い」と表示したり、縦書きっぽく表現しようとして単語の途中に改行を入れたりしない)。

要は、「今、自分が表現している内容は、人間にしか理解できない状態に陥っていないだろうか?」「ちゃんとマシンでも自動的に解釈できるようになっているだろうか?」を常に自問自答していただきたい、ということなのです。これをきちんと習慣化することで、アクセシビリティやSEO(検索エンジン最適化)、RSSフィードなど様々な面で効果があるほか、将来、当たり前になると思われるセマンティックウェブ(semantic web)への対応もスムーズにできるのでは、と期待しています。

ユーザビリティを近視眼的に考えてしまうと、つい、人間が解釈できる範囲(Webページに視覚的に表示されるユーザーインターフェースや情報デザインの評価/改善)に視点が行きがちになりますが、その裏側の地道な部分(マシンリーダブル化)も同時に意識することで、より多くのユーザーに、より豊かなユーザーエクスペリエンスを提供できる可能性が広がることでしょう。

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