フリガナのカナ表記
Webの入力フォーム(「お問い合わせ」や「申し込み」など)で、氏名を入力させるケースは多いですが、いつも気になるのが、読み仮名(フリガナ)の入力です。カタカナで入力させる例がとても多いのですが、これは、ユーザー(お客様)にわざわざ、無駄に面倒なことを強要していると言えます。
その理由は、文字変換の手間です。次のような入力欄が並んでいると想像してみましょう(よくある例ですね)。
ユーザーの氏名が「山田太郎」さんの場合、まず上の欄(お名前)に「やまだたろう」と入力して「山田太郎」と漢字変換することでしょう。
次にユーザーは、フリガナを入れるわけですが、その際に「やまだたろう」と入力して「ヤマダタロウ」と変換することになります。この「ヤマダタロウ」への変換が、意外と面倒なのです。というのも、パソコンの文字変換機能は「漢字への変換」がメインのユースケースなので、カタカナに変換する場合、変換候補の下の方まで探さなければならないことが多いからです。
加えて、感情的な「面倒くささ」を助長してしまうのが、直前の変換内容を記憶してくれるパソコンの機能です。フリガナ(カタカナ)を入れようとして「やまだたろう」を変換すると、大抵の場合、直前の入力欄で変換した「山田太郎」になります。このときユーザーは「あー、別の変換(カタカナ表記)をいちいち探さなければならない」とネガティブな感情を抱いてしまいがちです。
このケースの最善の解決方法は、読み仮名(フリガナ)の入力を、ひらがなにしてしまうことだと思いますが、いかがでしょうか?ひらがな入力にしてしまえば、いちいち変換候補からカタカナ表記を選択する手間が省けます。サービス提供側(サイト運営側)にとっても、姓名の読み方さえわかればよいのであれば、ひらがなで十分のはずです。
フリガナのカタカナ表記は「(昔からある)紙による申込書」の名残だと思いますが、Webサイトのユーザーインターフェース設計における「安易な前例主義」の危険性(「思考停止」と言ってもよいかもしれません)を示唆してくれる、格好の例だと言えますね。このように、ちょっと考えてみればユーザビリティが劇的に改善される例が、まだまだあると思います。一般的なユーザー特性でも触れたように、ユーザーは我々が想像する以上に、めんどくさがりで根気がないことを、改めて謙虚に、肝に銘じたいものです。
いただいたコメント(2通)
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もっと想像以上かもしれませんが・・・
いつも、名前の読みを一回入力してから、「変換→確定」したのに、
再度、読みを入力させられるのが、とても面倒に思います。
普通に「読み」から漢字に変換できる人はもちろん、(省略しない読み方で)辞書登録してある人に、
同じキーを2倍も打ち込ませることを強制しているのに、
ナゼ、コンテンツ作成のみなさんは平気なのでしょうか。
コメント、ありがとうございます。
フォームを設計する(サイト運営側が欲しいデータを検討する)上で、読み仮名(フリガナ)が必要であるケースは少なくないと思います。「失礼のない顧客対応を電話や対面で行なうために、正しい読み方を知っておきたい」などの場合です。もちろん、読み仮名が必要なさそうな場合でも、読み仮名を入力させているフォームの例を見ることはありますが...。
今回いただいたコメントで面白いなと思ったのは:
名前の読みを一回入力してから、「変換→確定」したのに、再度、読みを入力させられるのが、とても面倒
...という感覚です。名前の入力作業を一回やれば、漢字表記と読み仮名の両方が入力された状態になっているべき、という発想は、より優れたインタラクションデザインを実現する上で興味深い示唆を与えるものだと感じました。