ユーザビリティ/アクセシビリティとJavaScript

ユーザビリティアクセシビリティに配慮したWebサイトを作ろうとした場合、JavaScript は、考慮すべきポイントのひとつになります。

JavaScript とは、一種のプログラム言語です。特に目新しい技術というわけではありませんが、近年「Ajax」という Web の表現手法が注目を集めたり、特定企業が提供するプラグイン (Flash など) に依存しない Web 制作のありかたが話題になったりしており、そういったトレンドの中核的な技術として、Web コンテンツのインタラクション (ユーザーの操作に対応した振る舞い) を演出したりするのに使われます。

JavaScript が使えることを「必須条件」とするようなデザインは危険

JavaScript を使うと、Web コンテンツを魅力的なものに演出することができますが、必ずしもすべてのユーザーが JavaScript に対応した環境で Web サイトにアクセスしているわけではないということを、気に留めておく必要があります。

ひと頃であれば、障害者のアクセシビリティ (支援技術などユーザーエージェントの仕様) の観点で JavaScript が使えないことを考慮しようという議論が多かったのですが、「スクリーンリーダー利用に関するトレンド : 2010年12月実施の WebAIM 調査より」で触れたように、最近のスクリーンリーダーユーザーのほとんどは JavaScript を有効にしています。

その一方で、セキュリティ面を憂慮して JavaScript を無効にしているユーザーも少なくありません。自らの意思でそうしている場合もありますし、業務ユースの場合、所属企業の情報システム部門からの指示でそうせざるを得ないケースもあります。

また、ロースペックな Web 閲覧端末を使用している場合も、JavaScript に対応していない可能性があります。スマートフォン以前の携帯電話 (フィーチャーフォン) が典型例と言えますが、「今後はこういった旧来の携帯電話ユーザーは減ってゆくから大丈夫」と安心するのは早計です。逆に今後、多種多様なデバイスや通信環境で Web にアクセスできるようになると、閲覧環境が JavaScript に対応していることを「必須条件」にしたデザインでは、多くのユーザーが利用不可能に陥るかもしれません。というのも、その大半は恐らくユビキタスなソリューションで、我々がこれまで慣れ親しんできた PC + ブロードバンド環境より大きくスペックダウンするものであっても不思議ではないからです。

「プログレッシブエンハンスメント」を意識しよう

このように考えると、JavaScript 対応ブラウザ (かつ、JavaScript を有効にしている状態) の使用を「当たり前」にしたサイト構築をしていると、ユーザビリティ/アクセシビリティ的に不十分と言えそうです。

ユーザーの環境が JavaScript に対応しているかどうかは、サイトの作り手側 (開発者や運営者) がコントロールできることではないという現実を受け入れて、今一度、「プログレッシブエンハンスメント」という考えかたを強く意識したいところです。