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「Web 2.0企業」とかいうけれど...

最近よく耳にする「Web 2.0」という言葉からは、様々な派生語が生まれていますね。その最たるものが「Web 2.0企業」という表現でしょう。

先の記事で紹介した「ウェブ進化論」という本によると、楽天やYahoo! Japanは「Web 1.0企業」であるのに対し、GoogleやAmazonは「Web 2.0企業」であるとされています。また、Web 2.0の提唱者、ティム・オライリー氏の論文の中にも、たとえばBritannica Onlineは「Web 1.0」である(それに代わる「Web 2.0」はWikipediaである)といった比較表があります(もっとも、オライリー氏の論文の比較表は、Web 2.0の概念をわかりやすく様々な角度から例示しただけであって、直接的にWeb 2.0「企業」について論じたものではありませんが...)。

こういったオピニオンリーダーの発言を見ては、「うちの会社も何かWeb 2.0的な新しいことをしなければ」と感じる経営者やウェブマスターの方も少なくないことでしょう。ついには、「社員2.0」やら「企業2.0」といった言葉も出てきているそうで、「2.0にあらずんば人にあらず」といった雰囲気を感じてしまいます。

しかし、Web 2.0というのは「一部のWeb 2.0的サービスを実現した一握りの企業だけが得をする仕組み」なのでしょうか?Web 2.0時代を迎え、その恩恵を受けるチャンスがあるのは、大企業よりもむしろ中小零細企業(や個人事業主)だと思いますし、権威層よりもむしろ一般ピープルだと思います。

このサイトの読者には、いわゆる大企業サイト以外のウェブマスター(個人事業主によるネット通販サイトや、士業、自営業を含む中小組織のサイトを運営されている方々)が多いと思いますが、皆さんに必要なのは「Web 2.0的な 『何か新しいこと』を始めること」ではなく、あくまでもWeb 2.0を消費トレンドと捉えて、それに適合することではないでしょうか。

そのために必要なのは、お客様の消費行動におけるWeb利用の動線を尊重する姿勢です。そのうえで「来るものは拒まず」を徹底することです(拒むつもりがなくても、不十分なユーザビリティによって、結果的にお客様を拒んでしまっているというケースはありませんか?)。こういった姿勢を実現するために採り入れるべき手法は、以下のようなものになると考えます。いずれも突飛な "something new" ではなく、基本的な手法だと言えますね。

  • Web標準に則ったコーディング(できれば従来のHTMLではなく、XHTMLにするのが望ましい。)
  • お客様の使用語彙を吟味/検討したうえでのSEO(検索エンジン最適化)
  • 適切なライティング(<body>要素の中身はもちろんのこと、<title>や<meta>、さらにはRSS/ATOMとして配信されるXMLの内容も、適切な語彙、文章で書かれていること。)
  • ランディングページを限定しない(どのページから訪問されても、迷子や袋小路にさせない)ユーザビリティ

いかがでしょうか?Web 2.0というのは注目すべきトレンドですが、表層的に華やかなものとして捉えるのではなく、基本をしっかりとやることが大事だというのが私の考えです。

上記のように考える背景としては、従来から言われている「集客のためのSEO」「集客後のコンバージョンのためのユーザビリティ」の両立はもちろんですが、Web 2.0時代を迎えていよいよ進むであろうフォークソノミー(集合知を用いた情報分類)やセマンティックウェブ(ティム・バーナーズ・リー氏が提唱する、個々のWebページに意味付け(タグ付け)を行い情報収集や分析を標準化する試み)への対応をも見据えています。フォークソノミーやセマンティックウェブといった、Webページ上の情報をそのWebページ(サイト)以外でも二次利用して、インターネット全体としてより高次元なユーザーエクスペリエンスを提供するという考え方に対応するには、やはり適切なコーディング/SEOを包含したうえでの「テキストライティング」が重要になってくるのでは?と思うからです。

Google Maps APIなどのAjaxを試してみるといったリッチ指向なWeb 2.0も魅力的ですが、せっかくのこうした試みを効果的にするためにも、まずは上記のような基本がしっかりできていることが大事かと思います。

(2006年5月27日 21:31)

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