アルガード花粉情報
花粉症の季節ですね、私もそうなのですが、花粉症に悩まされている方も多いことでしょう。そんな状況を反映してか、花粉の飛散情報を提供しているWebサイトも増えてきました。今回はその中のひとつ、アルガードでおなじみのロート製薬さんの提供する花粉情報を見てみました。
この手の花粉情報は、他にキッセイ薬品さんや三共さん、バイエル薬品さんといった薬品メーカーでも見られますし、Yahoo!のようなポータルサイトなどでも同様のサービスが存在します。そんな中、この「アルガード花粉情報」の特長は、地図(広域/詳細どちらもあり)上に花粉の飛散量を重ねて見せることで、ビジュアル的にわかりやすくなっている点と言えるでしょう。
面白い試みだと思いますが、ユーザビリティの面で考えると、課題のあるコンテンツとも言えます。たとえば「時間選択」の操作子についてですが、以下のように、基本的なユーザーインターフェース設計の面で様々な課題を残しています。
- 初期状態の日時から過去の情報を見ることができない([1時間前]ボタンとその下の[巻き戻しマーク]ボタンをクリックしても反応しない)。これらのボタンは[1時間後]ボタンやその下の[早送りマーク]ボタンをクリックして時間を進めた場合に初めて使える機能のようだが、であれば、使えない場合はボタンを非表示にするかデザインを変えるべき。
- [1時間前][1時間後]ボタンの下にある[巻き戻し][早送り]ボタンの意味がわからない。次の日(前の日)の0時に飛ぶのか?あるいはその時点で提示できる情報のもっとも未来(過去)のものまで飛ぶのか?(正解は後者)
- [コマ送り]ボタンをクリックして、任意の日時で止めたい場合、止め方がわからない。
さらに問題なのは、地図上に表示される花粉飛散量(非常に多い、多い、やや多い、少ない)が、色でのみ識別されていることです。色覚特異性を持ったユーザーがこのコンテンツを見た場合、非常にストレスを感じることになります。例として、第一色覚の特異性(赤の視感度がないか弱い)を持った人が見た場合、どう見えるかをシミュレーションしてみました(VisCheckというオンラインツールを使用しています)。
地図上に展開されている花粉飛散量の色分布と凡例の色見本とを見比べてみても、非常に識別しにくくなってしまいましたね。
地図でビジュアル表現をしようとする際、色だけで情報内容を識別させようとするのは往々にして見られるミスです(有名な事例としては、「地下鉄の路線図が色覚特異性を持つ人にはわかりにくい」などがあります)。アクセシビリティの観点で今回のシミュレーションをご覧いただければ、色だけによる識別が情報伝達の上でいかにリスキーなものか、実感いただけることと思います。
対応策としては、上述のVisCheckや富士通さん提供のColor Doctorといったツールを使うのももちろん良いですが、もっとも簡単な方法は、モノクロでプリントアウトしてみて、それでも内容が理解できるかを確認してみることです(パソコンのディスプレイ上でグレースケール表示が可能な場合は、それでも結構です)。ぜひ一度、皆さんのWebサイト(ホームページ)でも試してみてはいかがでしょうか。
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