ユーザーエクスペリエンスとは?

皆さんは、Web(インターネット)を利用して普段どんなことをしていますか?
調べ物をしたり、買い物をしたり、予約をしたり、…と、いろいろあることでしょう。商品やサービスの種類にもよりますが、今後ますます、Web(インターネット)が消費行動の手段として、大きな役割を担うことは間違いないと言えます。

とはいえ、現実には残念ながら、Webサイトを利用しても必ずしも満足いく結果が得られるとは限りません。たとえば、買い物を例に取ると、以下のように「満足度」にもいろいろなレベルがあるのではないでしょうか。

  • 自分の欲しいものを買えなかった
  • 自分の欲しいものをなんとか買えたが、買うまでに苦労した
  • 自分の欲しいものをスムーズに買うことができた
  • 自分の欲しいものの他に、思わぬ掘り出し物を見つけて買うことができた

良いWebサイト考察で触れたように、世の中のWebサイトの多くは「目的」ではなく「手段」です。それだけに、サイト運営においては、ユーザー(お客様)がそのサイトを利用することで満足できているか、について留意する必要があります。
このような考えかたを表す概念として、ユーザーエクスペリエンスがあります。

このユーザーエクスペリエンス(user experience)という概念は、認知心理学の第一人者であるD.A.ノーマン博士によって唱えられたものと言われています。文字通り訳せば「ユーザーが体験すること」になりますが、もう少し踏み込んで、そういった体験がユーザーにとって有意義だったか(うまくいった、面白かった、心地よかった、熱中した、など)も評価すべき価値としています。

以前、知人のユーザビリティコンサルタントのお誘いで、ノーマン博士の講演を拝聴させていただいたことがあります。もともと、「誰のためのデザイン?―認知科学者のデザイン原論」という本を読んで、彼の主張するユーザー中心設計(user-centered design)(単に見栄えよくデザインするのではなく、あくまでもユーザー視点に立ち、スムーズに使えることに主眼を置いて設計する、という考えかた。ユーザビリティにも通じますね)に共感していたのですが、講演では突然、「デザインはエモーショナルであれ」と、情動に訴えるデザインの重要性を訴えていて、「へえ〜」と驚いたことを覚えています。(そのときの講演の主張は「エモーショナル・デザイン―微笑を誘うモノたちのために」という本にまとめられて、詳しく述べられています。)
ノーマン博士ご自身、研究を重ねる中で、良質なユーザーエクスペリエンスを実現するためには、ユーザー中心設計を重視しつつ、その上でエモーショナルな要素も満たす必要がある、という考えに至ったのだと思います。
実際、身の回りのツール(調理器具や雑貨、電化製品、自動車など)を見回してみても、「触ってみたいな」「これ持ってたら、ちょっと自慢できるな」というシェイプや質感をもった物のほうが、使っていて楽しい(満足度/充足度が高い)ですよね。

Webサイト(ホームページ)においては、良いWebサイト考察で挙げた下記の要件のすべてが、ユーザーエクスペリエンスにつながるといえます。

  • 求める情報が探しやすいこと
  • ターゲットユーザー(顧客)にマッチしていること
  • Web運営主体(店主など)のセールスポイントを最大限に活かせること
  • Web運営主体(店主など)のビジネスに具体的に貢献できること(広告、販売など)
  • メンテナンス(管理/更新)に必要以上の余計なコスト/手間がかからないこと

最後の「メンテナンスに必要以上の余計なコスト/手間がかからないこと」については、一見直接的にはユーザーエクスペリエンスに関係ないと思われがちですが、メンテナンスが容易であるということはすなわち、サイト運営側にとっては、同じエネルギーでよりマメにサイトを更新できることを意味するので、結果的にサイトの発展にもつながりやすく、ユーザーエクスペリエンスの向上に寄与するわけです。

というわけで、ユーザービリティアクセシビリティに配慮し、ユーザー中心設計に基づいて作った良いWebサイトを、継続的に運営することで、ユーザーエクスペリエンスを高め、顧客満足につなげてゆきたいものですね。

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