メンタルモデル
Webユーザビリティを改善するには、当然のことながらユーザーのことを理解しなければなりません。ターゲットユーザー像を明確にすることや、一般的なユーザー特性を理解しておくことをご紹介したのも、そのためです。
ここではもうひとつ、ユーザーを理解する助けとして、メンタルモデルをご紹介します。
メンタルモデルとは認知心理学の用語ですが、簡単に説明すると、「あることに出くわしたときに、それをどう解釈/判断し行動するか」について頭の中に形成されるモデルのことです。
このモデルは、個々人がこれまで生きてきた中で蓄積されてきた経験を基に作られてゆくものなので、その人が育ってきた生活環境や文化などによって変わってきます。こうして形成されたメンタルモデルは、知らず知らずのうちに人の行動に大きな影響を与えます。たとえば、こんな経験はありませんか?
- 自宅の洗面台の水栓レバーは上げると水が出る(下げると水が止まる)のに、友人宅の洗面台の水栓レバーは逆なので、一瞬、水を出せなかった。
- 左ハンドルの外車を運転中にウィンカーを出そうとして、ハンドル右側のレバーを操作したらワイパーが動いてしまった。
- 普段はWindowsを使っているが、たまにMacを使うと、右クリックができずにイライラする。
- 家で夫婦で食事するとき、大皿のおかずを「じかばし」で取ろうとしたら相方に注意された(お互いの実家での食事習慣の違いによる)。
- 東京では、エスカレーターに乗るときは左側に立つのが普通(右側は追い越す人のために空けておく)なのに、大阪に行ったら逆なので戸惑った。
ちなみに私は、学生のころ韓国旅行中に道路を横断しようとしたとき、いつもの習慣で右を見てから一歩車道に踏み出したところ、左から車が来てびっくりしたことがあります(韓国は日本と異なり、自動車は右側通行なのです!)。あぶないあぶない。(笑)
Webサイト(ホームページ)においても、メンタルモデルの例はいろいろとあります。
細かく挙げるときりがありませんが、代表的な例としては「下線が引いてあったり、青色になっている文字列は、リンクだと認識する(クリックしても反応がないと、おかしいと思う)」が挙げられるでしょう。また、普段よくアクセスするサイトはスムーズに使えても、別のサイトに行くと欲しい情報にたどり着けない、といった経験は、誰にでもあるのではないでしょうか?
こういった現象は、個々人がWeb/インターネットの経験を蓄積することで形成された、まさにメンタルモデルによるものなのです。
さてこのメンタルモデル、ある同じ事象に出くわしても、個々人によって微妙に異なるのが、悩ましいところです。ユーザビリティを高めるには、いかに個々人のメンタルモデルに差異が出ないようにするかが鍵になると言えるでしょう。
Yahoo!もGoogleもAmazonも、リンクする文字は下線の付いた青字で統一していますが、これなどはまさに、Web(インターネット)ユーザーのメンタルモデルを考慮した典型例と言えますね。
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