SEOとユーザビリティ(その3):正しいHTMLコーディング

SEO(検索エンジン最適化)を実施するにあたっては、ユーザビリティと同様のアプローチ、すなわち、まずはターゲットユーザー像を明確にし、その上で、そのターゲットユーザーの視点に立ってキーワードを見極めることが大事であると、先の記事SEOとユーザビリティ(その1)/(その2)で述べました。
では、こうして見極めたキーワードは、実際サイト(ページ)の中にどう配置してゆけばよいのでしょうか?

細かなテクニックはいろいろありますが、忘れてならないのは、あくまでもシンプルで論理構造に忠実なページソースにすることです。「論理構造に忠実なページソース」とはすなわち、HTML文法に則って正しくコーディングされたページのことです。

ひとくちに「正しい」コーディングといっても、ピンと来ない方もいらっしゃるかもしれませんね。ここでは、こんな感じでご理解いただければと思います。

  • 文書の論理構造を示すHTML要素(タグ)、たとえばページのタイトル(<title>)、見出し(<h>)、段落(<p>)、挿絵(<img>)、強調箇所(<em>や<strong>)、リンク(<a>)などを、HTMLのルールに忠実にマークアップすること。
  • 見た目のデザイン、たとえば文字を太くしたり(<b>)、文字色やサイズを指定したり(<font>)、本文や挿絵の位置関係を決めたり(たとえば<center>)、などは、HTML要素(タグ)では指定しないで、別の手段を使うこと。

「正しい」コーディングを徹底すると、ページのソースコードはとてもシンプルなものになります。「論理構造」(大見出し、小見出し、段落、など)と「内容」だけしかHTML内に含まれていないのですから、当然ですね。
マウスオーバー時に画像が切り替わる仕組みをJavaScriptで作ったり、裏技的に透明な<table>タグを使ってページレイアウトをしたり、という必要もありません。レイアウトなど見た目の要素は、すべてスタイルシートと呼ばれる別ファイルで設定すればよいのです。
ついでにもう少しだけ専門的な話をすると、このような手法は、XHTML+CSSという規格が推奨されつつあります。このあたりの詳しい話は、また別の機会に…。(ちなみにこのサイトは、XHTML+CSSによって「正しく」コーディングされています。)

なお、正しいHTMLコーディングによって、次のような副次的メリットも期待できます。

ソースコードがシンプルになれば当然、ページのファイルサイズが軽くなり、読み込みが早くなります。ユーザーのインターネット環境(どんな機器で、どのくらいの通信速度で閲覧しているか)によらず、快適なサイト閲覧が可能になります。また、ソースコードの中身が「文書の論理構造」と「内容」のみに限定されると、盲目のユーザーが音声ブラウザを使ってサイト(ページ)を閲覧する際の「読み上げ順」を「視覚的に」把握できます。こうした特性を活かすことで、アクセシビリティに配慮したサイトが作りやすくなります。
同時に、サイト運営側にとっても、ソースコードがシンプルでわかりやすくなっているので、文章の追加や変更など、ちょっとした更新であればWebの専門家以外(たとえば営業担当者など)でもやりやすくなります。
さらに、スタイルシートを変更すればサイト全体のデザインを簡単に変更できる、というのも大きな利点といえるでしょう。

ところで、肝心のSEOですが、ページのソースコードをシンプルにすることが、どうSEOに関係するのでしょう?その答えは、検索エンジンのクローラー(ロボット)とよばれる巡回プログラムが、どのようにサイトを巡回して情報を集めるか、という仕組みと大きく関わっています。
クローラー(ロボット)は人間ではありませんから、サイト(ページ)のビジュアル面からは、「このサイトが訴求しているのは何か」が、まったく判別できません。ソースコードだけを手がかりに情報を収集するのです。SEOの「イロハ」として、以下のようなことがよく言われます。

  • 重要なキーワードはページ内のできるだけ上に書くとクローラー(ロボット)が見つけやすい
  • 見出しやリンク、強調箇所(<em>や<strong>)にキーワードを配置するとクローラー(ロボット)が「重要なキーワード」と認識しやすい

余計なスクリプトがページソースの上部にあったり、ソース中にレイアウトデザインを司る余計な要素(たとえば透明の<table>)があったりすると、それだけクローラー(ロボット)にとって邪魔な「ノイズ」が増え、肝心なサイトの訴求内容(すなわちキーワード)が見つけにくくなるわけです。

いかがでしょうか?
SEOとユーザビリティ(その1)(その2)、および今回の記事を通じて、「小手先のテクニックにおぼれない、まっとうな方法論でのSEO(ターゲットユーザー本意のSEO)を実施すること」は、以下のようなメリットにもつながることが、ご理解いただけたのではないかと思います。

つまり、適切な手法を用いたSEOであれば、それはすなわち「良いサイト」実現に直結すると言うこともできますね。

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